形成外科・美容外科・美容皮膚科の東京渋谷 たか子クリニック

たか子院長のコラム

はじめに

私が日々思っていること、伝えたいことを、私らしく、私の言葉で伝えたいと思い、コラムのページを設けました。
医療に関すること、美容に関すること、それ以外の日々の思いを書いてまいります。
コラムの内容は、よく、患者さんの治療中にお話している内容でもあります。

  | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |  

No.004

2006.10.14

「医療はビジネスか」

美容をやっていると、患者さんはお客様。
クリニックにいらっしゃる方の中には「ご一緒に、こちらの治療も如何ですか」と別の治療も勧められるものと思っている方も多いようです。
また、患者さんによっては「高ければ高いほど効くだろう」と思う方も多いように見受けられます。
私は、自分のポリシーとして、カウンセリングの際は「患者さんから相談された治療法のことしか答えません」し、他の治療を勧める事はありません。
唯一の例外として患者さんにお伝えしているのは、ボトックスです。ボトックスだけは「もし、気になるのであれば、そろそろボトックスをする時期ですよ」と伝えることにしています。
何故ならボトックスは打ち始める時期を逸すると、ボトックスとフィラーを同時に注入する必要性が出てくることになるからです。
「しわは年輪よ」と思える人なら、それで良いと思いますが。
◆「ボトックス」詳細はこちら >>
http://www.takako-clinic.com/skincare/botox.html
◆「フィラー」詳細はこちら >>
http://www.takako-clinic.com/skincare/filler.html
形成外科の勉強を始めた頃、先輩に「例えば、顔にすごく大きなホクロの患者さんが診察室に入ってきたときに、『ご相談はそのホクロですか?』と聞いてはいけません」と教えられました。
その一言が、患者さんにコンプレックスを与えるきっかけとなるかもしれないからと言うのが理由です。
その先輩の教えは、いつも私の心の中にあります。
クリニックに来院されて最初のカウンセリングで、患者さんから「私は何をやったら、良いのかしら?」と聞かれることも、よくあります。そんなとき、私は意地でも「何が気になるのですか?」と聞き返します。
美容医療とは、自分が気になる部分をやれば良いのであって、他人に指摘された箇所を気に病んで治療するのは、どこか違うと思います。
私は患者さんと話すとき、患者さんの払う「犠牲」と「得られるもの=結果」のバランスを考えてお話するようにしております。
もし、犠牲が上回りそうであれば、美容医療としてはやるべきではない。
犠牲には、「経済的」、「時間的」、「精神的」、「肉体的」なものがあります。
ただし、「得られるものの大きさ」とか、「犠牲の大きさ」は、各自によって異なるために、その判断の指標を話すしかないので、それに従って、最終的には患者さんに判断していただくしかないと思っています。
医療であっても「美容」となると、疾患を治療するわけではないので、それは自費診療となります。
「保険診療」では3割負担なので、患者さんの負担はそれほど大きく感じない場合が多いと思いますが、「自費診療」では、患者さんが全額負担するために、高額と感じるかもしれません。
たか子クリニックの料金は、それほど高い設定ではありませんが、それでも人によっては高く感じることがあるかもしれません。
その場合は、自分が改善を望む気持ちと、その負担とのバランスをご自分で判断していただくしかないと思います。
私は医療がビジネスであってはならないと思っています。
但し、新しい技術を取り入れるにはお金が掛かってしまいます。お化粧品やエステ、お洋服に安いものから高いものもあるのと同様に、美を得ようとする医療においても安いものから高いものまであります。
高かろう、良かろう、安かろう、悪かろうと言う考えもあるでしょう。
私のクリニックでは「この効果だったらこの値段かな」という私自身の感覚で、価格を決めています。また、継続できないほど高い料金は、美容皮膚科としては妥当でないと考えています。
もし、自分で設定する金額を上回るような材料費だったり、機械の価格だったら「その治療は、たか子クリニックではやらない」と私は判断いたします。
人から、「高いから良いと思わせる」と言うテクニックがあることを聞きます。でも、それはビジネスで考えることで、医療ではそんなテクニックを使うのが良いのだろうかと思います。
私は普通の家庭に育ったので、金銭感覚はかなり普通だろうと思いますし、同時に医者の家庭で育ったわけではないので、医療に対する思い入れは強いと思います。
美容であっても医療はビジネスであってはいけないと思いますが、同時に「きれいになるためには多少のお金が掛かること」を、患者さんに分かって欲しいと思います。
久保田たか子のコラム No.004「医療はビジネスか」
2006.10.14記

  | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |