形成外科・美容外科・美容皮膚科の東京渋谷 たか子クリニック

たか子院長のコラム

はじめに

私が日々思っていること、伝えたいことを、私らしく、私の言葉で伝えたいと思い、コラムのページを設けました。
医療に関すること、美容に関すること、それ以外の日々の思いを書いてまいります。
コラムの内容は、よく、患者さんの治療中にお話している内容でもあります。

  | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |  

No.015

2007.03.21

「先入観」

今の私は「あまり先入観がない」タイプの人間だと思います。
昔は「すごく神経質で、人付き合いが下手だった」のですが、今は人と会うのが楽しみだし、色々な事をあまり気にしなくなりました。そして、毎日が楽しい発見に満ちています。
食べる物も、小さいときから(乳児の時代から!)受け付けなかった牛乳以外は、取り敢えず何でも食べられます。
どんな国に行っても「君は何処でも生きていけるね」と言われるぐらい、出されたものは何でも食べます。余程、その物の原形を見せられなければ、変わった物でも食べる自信はあります。
イスタンブールで友達がホットドックのようなものをご馳走してくれ、「美味しいねぇ」とムシャムシャ食べていたところ、友人が「これって羊の睾丸で出来ているんだよ」と教えてくれました。私が「へぇ~~~」って平気な顔をして食べ続けたところ、変な奴と言う目で見られてしまいました。
ドリアンも食べる事は可能です。臭いは大して気にならないのですが、果物の癖にジューシーじゃないところが許せないと思うぐらいです。このドリアンを唐辛子と和えた「サンバル・ドリアン」は、私の好物の一つです。
アラブ料理の「子羊の脳味噌のフライ」も大好きです。最近「BSE」の関係で、脳味噌が食べられなくなったのは残念です。
大阪で先輩に連れて行ってもらったホルモン屋で、色々な内臓を出して貰った時には、すごく楽しかったです。
また、フィリッピン料理の店で「血を固めた物が入っているスープ」をご馳走になった時にも「いやぁ、日本では、なかなか食べられない物をご馳走になって」と、楽しんで頂きました。
バンコクの街角で、屋台のお料理が美味しそうだな、と食べたそうにしていたら、タイ人の友達から「ここのお店は駄目ですよ、ちゃんとしたところに連れて行ってあげるから」と注意されたことがあります。
マレイシアでは「インド人でさえ、お前のようにカレーをスープのように飲まない」と言われました。
今までに色々な国に行きましたが、インドやバングラデッシュに行っても、私はお腹を壊した事はありません。「海外でお腹を壊したと言う記憶」は全くないのです。
これは先入観の問題ではなく、ただ単に消化器系が以上に強いと言う事でしょうか?
味覚として「好きか、あまり好きではないか」と言う判断は、私でもします。でも、食べずに決め付けるより、試してみたいと思います。
「食わず嫌い」と言うのは、人生において大きな損失かもしれません。
そんな私の友人の美容師は、パーティーの時など色々な髪型にしてくれるのですが、私が何でも嫌がらずに楽しむので、喜んでくれています。
やってみなければ、分からない。その中で自分に合うものを見つければ良いのだと思います。
私は海外へ行った時、暇な時間が出来ると、ぼぉーっと人を見ています。観光地を訪ねるよりも「現地の人が、何をやっているか」を見る方が、ずっと私には興味深いのです。
人と話すのも好きです。友達には色々な職業の人がいますし、ゲイの友達もいます。
友達の国籍も色々です。宗教も色々。お陰で色々な宗教に関しての知識が増えました。
自分と異なる人と会うと、新たな世界が開けるようで、とても楽しみです。
ある時友人に、共通の友人の事を「彼ってゲイ?」って聞いた所、「彼がゲイかどうか知らないけれど、僕はゲイだよ」とカミング・アウトされました。
「日本人って気にするよね、そう言う事」と言われたのですが、私は気になるのではなく、一応友人として付き合ってゆく上で、知っておいたほうが良いと思っただけです。
渋谷のある居酒屋で、日本人のゲイの姉さん(兄さん?)2名と私で食事をしていた時、周囲の人は不思議そうな顔をして私たちを見ていました。
二人とも、服装などは普通の男性です。一人は濃い顔で、言葉はオカマ・バーのようなオネエ言葉で騒いでいる。もう一人は優しそうな普通のおじさんで、女性的な話し方。フィリピン人のような顔の私が、きっぱりとした話し方。確かに変なグループでした。
以前、医療ボランティアでバングラデッシュに行った時、毎朝、毎夕、病院の職員達(イスラムの国なので殆どが男性)に元気良く挨拶をしていました。最初は、「何だ、この異教徒の女は?」と無視されていましたが、最後の頃は彼らから挨拶をするようになりました。
どんな人か、分からないなら、取り敢えず話してみようと思います。
自分から飛び込んでいかなければ、人と知り合う事も出来ない。自分と違う考え方の人と知り合う事は、自分にとってもプラスになるし、世界が広がります。
例え、その人の考え方が理解できなくても、こんな考え方も有るのね、と思うだけでも成果です。
嫌な考え方をする人だと思ったら、さっさと頭から追い出して、二度と近づかなければ良いだけです。知らない事は見たり、聞いたりしなければ、何時までも知る事は出来ない。
先入観を少し捨てて色々なことに首を突っ込んでみると、案外、世の中には面白い事が沢山有ります。
久保田たか子のコラム No.015「先入観」
2007.3.21

  | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |