形成外科・美容外科・美容皮膚科の東京渋谷 たか子クリニック

たか子院長のコラム

はじめに

私が日々思っていること、伝えたいことを、私らしく、私の言葉で伝えたいと思い、コラムのページを設けました。
医療に関すること、美容に関すること、それ以外の日々の思いを書いてまいります。
コラムの内容は、よく、患者さんの治療中にお話している内容でもあります。

  | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |  

No.006

2006.10.29

「積み重ねの大切さ」

よく、患者さんから「たか子先生は本当に仕事が好きですね、どうしたら、そんなふうに好きになれる仕事に出会えるのですか?」と聞かれます。
その答えは、好きになった仕事を、ただひたすら追求し続けてきた結果だと思います。
私は、形成外科の研修医に成り立ての頃から、形成外科の仕事が大好きでした。でも、形成外科まっしぐらでやってきたわけはありません。
振り返ってみれば、医者になってから勉強してきたことの殆どは、直接現在の仕事とは関係のないことばかり!なんです。
形成外科の専門のひとつに、顔面の骨折があります。顔を骨折するほどであれば、当然、他の部分にも、骨折なり外傷があります。
大学病院であれば、すぐに整形外科の先生に依頼すれば済む事なのですが、患者さんにある程度のアドヴァイスをしてあげたいと考えた私は、形成外科医になってから、整形外科の研修を3年間受けました。
整形外科での研修時代は、おじいちゃん、おばあちゃんの腰痛を見ることもありました。
こういった現在の仕事とは異なることを沢山勉強してきたことや、当時の経験が今の私を支えてくれています。
また、患者さんとの医療に直接関係ない会話から、世間知らずの私が学んだことは沢山あります。
もちろん、どんなに好きな仕事でも、時には行き詰まることがあります。
私も「医者を辞めよう」と思ったことが、何度かありました。でも不思議とその都度、私の前には医者を続けられるよう、次のドアが現れました。
形成外科専門医になって何年か経ち「女の私がこのままこの仕事をしていって良いのだろうか」、「自分の居場所はここには無いのかな」と思ったときに、乳房再建の患者さんから「女の先生がいてくれて、本当に良かった」と言って頂いて、「次の自分の居場所」を見つけました。
その後、乳房再建を続けてゆく中で、自分の理想と現実のギャップに悩んで「乳房再建を辞めて、医者も辞めようかな」と思ったときは、ケミカル・ピールとの出会があり、「乳房再建」も「医者」も続けています。
目の前の仕事を、ひたすら面白いと追求していれば、喩え行き詰まったとしても、ちゃんと次のドアは現れ、それを開ければ何かに繋がるのではないでしょうか。
次のドアには、どんな新しい道が開けているか分からないと思うのですね。
だから、私は「医者」でなくても、次のドアが楽しかったら、それに邁進していたと思います。
ただ、自分からドアを探したことは無くて、偶然そこにドアがあって、開けたら面白かった。
でも、もしかすると私の記憶の中には残っていない部屋もすっと素通りしてきたのかもしれませんね。
沢山間違えるのも、仕事への積み重ね。本や映画、音楽、演劇に色々触れていくことも、仕事への積み重ね。
私は、最近「積み重ねの大切さ」を感じています。
これは仕事に限ったことではなく、全てに通じること。
色々なことの積み重ねが、豊かな人生へと繋がるのではないでしょうか。
さて、ここで美容外科のお話をしましょう。
美容外科で手術を望む人の多くは、短時間で大きく変化することを期待しているでしょう。確かに、望まれる部分のパーツは、大きく変えることが出来ます。
自分の容姿や肌に対しての「即効性」は、ある意味とても魅力的です。
私もブルー・ピールでバリッと顔の肌を4回剥がした事があります。でも、その後、それなりの維持をしていかなければ、元の木阿弥です。容姿や肌を維持するには、ケアの積み重ねが重要です。
脂肪吸引を受けても、きちんとした食生活を送らなければ、また、別のところに脂肪が付いてしまいます。
容姿や肌を維持する中で、食生活はきっと最も大切なものの一つでしょう。
私は、若い頃からポッチャリ気味でした。「ダイエット食品で太っているのでは?」と言われるほどダイエット・フリークで、それも常に失敗していました。それが、29歳でダイエットに初めて成功し、20キロやせました。
それはちょっとやせすぎだったけれど、この時から自分の食生活を見直すことが出来て、30代はベスト体重を維持することが出来ました。若い頃の、揚げ物大好きの食生活から、野菜中心で十分満足できるようになりました。
そんな私が最近始めたのが「加圧トレーニング」です。自慢じゃないけど、全くスポーツに興味も無く、そんな暇があったら患者さんと一緒にいたいと思うのですが、友人に紹介されて、加圧トレーニングを始めました。
体力の強化と言いたいけれど、運動もせず、体に悪いことてんこ盛りの生活を送っているのにも拘らず、加圧トレーナーやアンチ・エイジングの先生が呆れるほど、もともと体力があるのですが、トレーニングを積み重ねて、体力の維持と、筋力をつけてゆきたいと思っています。
最後に、友情も積み重ね。都合の良いときだけに連絡を取り合うのではなく、なんとなく、連絡を取り合っていくことで、友情は育まれるのだと思います。
今、私が何より恵まれていると思うのは、国籍、職業、性別を超えた友人が沢山いることです。友人は私の財産です。
ローマは一日にして成らず。仕事でお悩みの皆さん、色々な時間を積み重ねて行きましょう。人生に無駄はありません。
追記
メラフェードシリーズは開発から5年、製品化から2年経ちましたので、現在新シリーズを開発中です。肌に、より良い抗炎症剤などを組み合わせた「メラフェードTシリーズ」は、この冬、製品化の予定です。
また、ビバントより日本人の肌により優しい「ACピール」も開発中です。
よりよい医療のために積み重ねて来た結果は、近日中にお知らせいたします。
久保田たか子のコラム No.006「積み重ねの大切さ」
2006.10.29記

  | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |