形成外科・美容外科・美容皮膚科の東京渋谷 たか子クリニック

たか子院長のコラム

はじめに

私が日々思っていること、伝えたいことを、私らしく、私の言葉で伝えたいと思い、コラムのページを設けました。
医療に関すること、美容に関すること、それ以外の日々の思いを書いてまいります。
コラムの内容は、よく、患者さんの治療中にお話している内容でもあります。

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No.009

2007.02.27

「結婚は人生の上がり」か?

「結婚は人生ゲームの上がりか?」と言うと、決してそうではない事を、今の若い人たちは分かっていると思います。
しかし、私の年代では、結婚は「人生のハイライト」だったと思います。
私の母は、女子大の家政学部出身です。母の家系は、女子の教育に比較的熱心な家庭でしたが、それでも「進学は結婚への準備」でした。
私が幼かった頃、多くの女の子は「将来、結婚するのは当たり前。仕事は結婚前の社会勉強」と位置づけていたと思います。
私も、父の意向で医学部に進学しましたが、両親とも「医者として働くより、家庭に入って子供を育てて、子供が一人前になったら仕事をすれば良い」くらいに思っていたと思います。
私自身、「一生仕事をする」なんて、学生時代には考えもしませんでした。
現在、うちのクリニックに通う高校生に「将来、どうしたいの?」と聞くと、女の子は具体的に将来の夢を語ります。
しかし、殆どの男の子は「サラリーマン」とか「公務員」と答えるのみで、具体的に何がしたいのかを語りません。
今の女の子たちは、学校を卒業したら「結婚する、しない」は兎も角、職業を持つ事を当たり前と考えています。
時代が変わってきたと思うと同時に、彼女たちの仕事と私生活が充実する事を願います。
きちんと仕事をこなし、自分磨きにも熱心な女性たち…。反して、具体的な将来の夢を語れない男性。
女性に見合う男性が、少なすぎるのが現在の状況なのではないでしょうか?
また、結婚したら、どうしても家事の負担は女性に偏りがちではないでしょうか?
それでも、結婚とか好きな人と一緒に住むということは、そんなにネガティブな事ばかりではありません。
結婚と言う形式にこだわらなくても、自分にとって一番身近な存在のパートナーがいたら、きっと、一人よりもっと楽しいし、辛いときに耳を傾けてくれたなら、前向きになれると思います。
ただし、パートナーとは、労わり、明日への活力を得る場であり、決して逃げ込む場では有りません。
私は、私の人生は私の物。夫は応援団長、母、姉、親戚、友達、患者さんは応援団員だと思っています。
私が躓いたとき、皆心配して、頑張れと言ってくれるけれど、起き上がって歩くことは、自力でしなくてはいけないのです。誰も私を助け起こし、引っ張り上げる事は出来ないのです。
同時に、私は夫の人生の応援団長でありたいと思っているし、母、姉、親戚、友達、患者さんの応援団員になりたいと思います。
仕事をしていく上では、例えパートナーと一緒の仕事であっても、社会人として求められる「自分だけの責任」があります。
別の仕事であれば尚更、職場に行った時点で「○○サンの奥さん」でも「○○ちゃんのお母さん」でもありません。
「責任がある」と言う事は「仕事で得られる喜び」もあり、それは誰の物でもなく、自分自身の物です。
専業主婦であっても、家族に属すると思うのではなく、自分自身に属していると考え、自分の家族の一番の応援団員、応援団長だと思って生活する方が、きっと楽しいでしょう。
私の友人で専業主婦をやっている人は、とってもきちんと家庭の事をこなし、忙しいご主人の妻としての役目もきちんと果たしています。お子さんが大きくなった現在は、昔からの趣味をプロ級にまで極めています。
完璧な「主婦」、「妻」、「母」である上、さらに自分自身を磨いている彼女のことを「女性の鏡」だといつも思っています。
結婚していても、寂しい事はあるでしょう。子供がいても、寂しい事があるでしょう。
精神的に自立出来ていると、その寂しさも受け容れ易くなるのではないでしょうか?
「結婚は人生の上がり」ではないし、結婚によって社会に対して「二人」と言う単位が出来る訳ですが、あくまで最小単位は「自分一人」です。
結婚を幸せなものにするには、「最小単位は自分一人。次の単位が二人。」と自覚することではないかと思います。
その中で「自分が何を優先していくか?」「何処に価値観を持つか?」それらを常に考えて、選択してゆく事が大切だと思います。
「結婚は人生の上がり」ではない。でも「大切な一歩」でもあります。
長い人生において、他の人や社会と自分がどのように関わってゆくか、それを考え続けるのが「生きてゆく事」なのでしょう。
久保田たか子のコラム No.009「結婚は人生の上がり」か?
2007.2.27

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