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たか子クリニック院長久保田たか子のコラム
「自分らしく」

私は変わり者なので、「人と同じでありたい」と思う気持ちが、他の人よりすごく薄いと思います。逆に「自分でありたい」と強く思っています。

ただ、私とて、時と場合によって、人と同じであることに安心感を持つこともあります。でも「私は私だしなぁ」と、いつも思っています。
素敵だと思う洋服が、友達にはすごく似合っても、自分に似合わないことは良くあるし、流行のファッションが自分に根本的に似合わないことも良くありますよね。

ファッションに関しては、当然周りの雰囲気との調和もあるけれど、逆に周囲と違和感が無くても、自分で居心地が良かったら、それはそれで良いと思います。
「流行」を身に纏うのは良いけれど、「自分に似合うかどうか」、が重要ですね。

お洋服は、仕事がファッション関係だとか余程のお金持ちで無い限り、流行に合わせてシーズンごとにガラリと変えることは出来ませんし、これは去年のデザインだからもう着られないなんて言っていられません。
私など、時として十数年前の洋服を平気で着ています。不思議と流行は繰り返すというか、違和感の無いことも多いのです。
しかし、決して流行を追いかけているつもりは無くても、不思議と数年前の写真を見ていると、その当時らしい髪型だったり、お化粧だったりして、今とはちょっと違います。

さて、クリニックに美容手術を希望されて見える患者さんには、よくタレントさんの写真を持ってくる人がいます。

でも、少し考えてみて下さい。

例えば、同じ形の二重にしたとしても、そのタレントさんと同じ顔にはなりません。

顔で重要なのは、目・鼻・口など各パーツのそれぞれの形が整っているのはもちろんですが、「パーツ同士の調和」が一番なのではないでしょうか。
「ここがちょっとこうなったら、良いよね」って言う場合もあるでしょう。そうすることによって、自分に自信が持てて、積極的に社会と関われるきっかけとしての美容手術は大きな意味があるでしょう。
でも、際限なくいじってしまうのは、違うと思います。
住んでいる国、生きている時代によって、美人の尺度は変わります。
昔、私がとても痩せていて、そんな体型の自分が結構気に入っていた時、ボランティアのチームに入れてもらって、バングラデッシュに行きました。
すると、現地の人々が「マンゴーを食べなさいよ」と、口々に勧めてくれました。「何で皆、私にマンゴーを勧めるのかな?」と思って聞いたところ、「マンゴーはカロリーが高いから太れるよ」と言われ、愕然とした事があります。
見渡せば、バングラデッシュのお金持ちのおば様たちは、皆ふくよかで、おっきなダイヤをジャラジャラつけていました。「ふくよかである」と言うことは、バングラデッシュでは富の象徴でした。
余談ですが、このバングラデッシュのおば様たちは、日本人を見ると「お前は宮崎のシーガイヤに行ったことがあるか?」と聞くのです。
聞いたところ、宮崎大学は、山形大学と並んで多くのバングラデッシュからの留学生を受け入れていて、お金持ちのおば様たちは留学中の子供を訪ねて宮崎に行き、総じてシーガイヤを訪れていたとのことで、このような質問を受けたのでした。
でも、その当時、私はシーガイヤに行った事がありませんでした・・・。
近年、美容の国際学会では「鼻の手術」と言うと、「いかに鼻を小さくするか」と言う手術の話が主流です。
トルコで遭遇した人とは「この鼻は大きすぎるから、視野を狭くするよね」といった話題が多く、私に対して「日本人は鼻が小さくて可愛いね」と言う人もいて「殴ってやろうか!」と思ったことも・・・。
ちなみに目の手術の話では「くぼみ目を治すこと」が主流で、「二重の手術」のことを話すのは、アジアの先生だけです。
ときに外出先で、とても美しい友人と一緒に鏡に映っている自分を見ると、正直、親を恨みたいと思う気持ちもチラッと芽生えます。
でも、私は私。自分なりにちょっと足掻いて、そして、そんな自分を受け入れたいと思います。
医師としての私は「患者さんが自分を受け入れる事のお手伝いをしたい」と、常々思っています。
久保田たか子のコラム No.008「自分らしく」
2006.11.4記
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