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たか子クリニック院長久保田たか子のコラム
本邦初の持つ意味
よく宣伝で、「本邦初」と謳っていることがありますが、それはどれほどの意味を持つのでしょうか?
実は、私のたか子クリニックには、「本邦初」と言う機械がいくつかあります。でも、敢えて声高にそれを言う必要もないと思っています。
美容の世界でも「本邦初」は、とっても大変なのです。
まず、機械を販売する企業から受け取る資料が十分に整っていないので、与えられたプロトコールを理解することにとても苦労します。
次に、その機械を使用し、安全に施術を行いつつ、日本人にあったプロトコールの見直しを手探りでしていくのも、とっても大変。その上で、本当に有用な機械か否かを判断することが、さらに大変。
さらには、何ヶ月もかけて試用しても、場合によっては「駄目だ、これ」ってなり得るのです。
実際、一年近く使ってみて、「やはり、やらない」と決めた機械もありました。
また、機械によって、効果を判定するために必要な時間が異なります。うちのクリニックでもっとも長時間モニターを行った機械は、実に1年半です。
その間、ひたすら患者さんにお願いして「モニター」として無料で治療を行いました。

私は、新しい機械を導入するにあたってのモニター期間中、患者さんの犠牲と効果を見比べながら、この治療が、お金を頂いても良い治療かどうかを、じっくりと考えます。
実はタイタンをモニターで行った際、このときは2ヶ月かけたのですが、最初の1ヶ月間、私自身、その結果は全く好ましく思えませんでした。

モニターの方たちは「これ良いわね」と仰っていたのですが,私としては「実際お金を払うことになったら、そう思えるのかな?」と思っていました。
そこで、アメリカの会社からもらったプロトコールを自分なりに変えて、ジェネシスを加えたり、照射数を増やしたりしてみました。
その結果、初めて「すごい!」と思えた時の感動は大きかったです。

※このときの試行錯誤に関しては「タイタンマジックの誕生」をご覧下さい。››
モニターでの治療や、通常の患者さんの治療を通して、学ぶことはたくさん有ります。患者さんと会話をすることにより、思わぬ効果に気づくこともたくさん有ります。
その結果、ジェネシスの治療対象は、開始当時よりずっと多くなりました。
うぶ毛の脱毛、腱鞘炎、口唇ヘルペスの治療と予防、皮膚炎の治療、などなど。これらは、殆ど患者さんからの情報で分かったことです。
そして、もしやこの症状にも有効か?と思われたときには、すぐにモニターで治療させて頂いております。
ジェネシスと言う治療は、熱いシャワーのような感触で、カサブタを作るようなことはまずないので、患者さんには「犠牲が少ない分、やってみる価値はあるよ。効果を約束できない分、まずはモニターでやろう」とお願いしました。

私は「本邦初」と言う言葉につられるより先に、まずはその機械で何が出来るか、どうしたら良い治療が出来るか、を考えることがよほど大切だと思っています。

メーカーがどんなに理論武装していても、実際にその機械では、その通りに出来ない治療がたくさん有ります。同時に、理論が確立されていないのに、実際に行える治療もあります。

私はレーザー会社のユーザーズ・ミーティングに参加して、よく、講演をするのですが、その際「私の発表はガールズ・トークだから。理由?分からない、でも出来ちゃったのよねってノリだから」とお話して、失笑されています。

でも、全ては結果に裏付けられています。それが一番大切ではありませんか?
また、現在の私の年齢(49歳)に感謝です。だって、年若い医者が「分からないけれど、効果がある」と言うのと、私の年齢で「分からないけれど、効果がある」と言うのでは、受け手としてかなり違うのではないかと思うからです。
大学病院時代、大学勤務医として求められる学会発表、論文書き、実験は、大嫌いでした。
でも、今は臨床から見て「どうして? 知りたい!」と言う思いがたくさん有ります。
大学時代はやらなくてはいけないから、ネタを探して研究をする。それが、年を経た今では、自分で本当に疑問だから知りたい。「学問として」と言うより、自分の好奇心から発していることなので、それを研究することは苦痛に思いません。
以前、私はアーノルド・クライン先生というビバリーヒルズの皮膚科医と対談したときに、彼の言葉に感銘させられました
「僕は最初に治療をする医者にならなくても良い、唯、その治療に優れている医者でいたい」と。
久保田たか子のコラム No.003「本邦初の持つ意味」
2006.10.14記
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