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たか子クリニック院長久保田たか子のコラム
「女の曲がり角」

私が若い頃、世間では若い女性をクリスマス・ケーキになぞらえていました。
24歳までは売り手市場、25歳になると売れ残りと言われていました。
今考えると、たった25年ぐらい前には、なんと前時代的な考えがあったのでしょう。

今は「結婚適齢期」という言葉も死語となっています。
でも、なんとなく「30歳」と言う年齢を、「結婚」と関連して意識をしている人は多いのではないでしょうか。
漠然とした思いで、「取り敢えず、30歳までは仕事も遊びも頑張って、30歳を過ぎたら結婚」と意識しているのではないでしょうか。

ただ、だからと言って「30歳で何が何でも結婚する」と言うことではないでしょう。今の時代、「30歳」と言う年齢のハードルは、それほど高くなく比較的容易に超えられるでしょう。
それより高いハードルは、「40歳」かな、と思います。「40歳」と言うのは多くの女性にとって、色々な意味でのハードルでしょう。

私の場合、自分の子供を持てるか、否かを真剣に突き詰めて考えた時期でした。
別の女性の場合、子供も成長して、それまでの子供中心の生活からの脱却を意識しなくてはいけない時期でも有りました。

40歳になる直前、私自身はかなり悩みました。一年半ぐらい、かなりうつ状態でした。
しかし、ある時突然「子供のいない人生」を自分の人生として受け入れる事が出来、やっと長い長いトンネルから抜け出したような気持ちになりました。
あれが「私の曲がり角」だったのでしょう。
あの時期以来、私は自分自身のことに関する悩みが殆ど無くなり、色々なものに対する執着心が抜け、心が軽くなりました。
今、私が落ち込むことがあったとしたら、患者さんの状態が心配な時位です。
私の周りの同年代の女性たちは、既婚・未婚に関わらず、職業を持っている人もいない人も皆、すごく元気で、「40歳過ぎたら生きやすくなったわよね」と話す人ばかりです。皆、それぞれ「曲がり角」をきちんと曲がって、「自分の置かれている状況を受け入れられた人たち」なのだと思います。
「結婚」は、「しなくてはいけないものではない」と思います。
でも、一緒にいると、より楽しいと思えるのであれば、結婚する意味があると思います。
結婚はゴールではありません。スタート地点です。そこから、徐々に作り上げてゆくのが、結婚だと思います。
それが嫌であれば、結婚しなくても、今は昔ほど困るわけではありません。「結婚をしないこと」も、その人の人生の選択でしょう。
子供に恵まれた人生は、それだけで多くの恩恵が有ります。
と同時に、子供に恵まれない人生であっても、それはそれで「別の事が得られる」と私は思っています。
大切なことは「自分の状況を如何に納得して、自分の人生として受け入れるか」と言う事だと思います。
美容の患者さんの中で、「え?何故、そんなに悩むの?」と思う人がいます。
悩みは人それぞれなので、確かに他人には理解できない事も有るでしょう。
しかし、その悩みの実態は、心の奥底で持つ他の悩みが全く別の外観の悩みとして表に現れている場合があります。
その場合は、その深層の心理を探らないと、本当の解決にならない事があります。
何かがすごく気になって、それによって心が閉塞感を抱えていたとしたら、一度立ち止まって、「自分がこれから十年、どのように生きたいか」、自分の心を覗いて見るのも良いかもしれません。
美容の手術、施術だけが回答でないかもしれない。美容の手術、施術を受ける事で「自分はどうなりたいか」、「自分はどう生きて行きたいか」を同時に考える事で、自分なりの解決方法が見つかるのではないかと思います。
久保田たか子のコラム No.010「女の曲がり角」
2007.2.28
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